片桐 仁美 さんに質問!

片桐仁美さんのご回答!
(片桐さまご協力ありがとうございました。)
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誰の指揮が一番歌いやすかったですか?逆に歌いにくかった指揮者は?
私が好きだったのは、やっぱりレヴァインでしたね。彼は、歌手が間違えると、フー、と息をはいて、かえって力を抜くのです。気が楽になります。それに、彼の体から音楽が聞こえてくるので、それに乗るだけで歌えました。合唱としての舞台ですが、シュタインはさすがでした。特異な顔ですが、音楽をしているときは、輝かしい感じで、職人芸という感じでしたね。はじめて「タンホイザー」をふりにシノポリが来たときも、凄いインパクトで、見ているだけで、気分が高揚しました。歌いにくい指揮者は、さあ、どうでしょうね。あまり自分の音楽で固めている人、歌手の息が聞けない人は困りますが、バイロイトにはそこまでひどい指揮者は来ていませんね。

バイロイトの舞台は、オケの音が全部跳ね返ってきて歌いにくいというのは本当ですか?
□ 誰がそんなことを言ったのでしょうか?情報源を知りたいですね。というのは、舞台では、オーケストラって、聞こえにくいんですよ。なにしろ音は客席の方に行くようになっていますから。ましてや、バイロイトのオケボックスは舞台の下なので、全く生の音は聞こえません。普通オペラのときは、舞台袖にスピーカーがあって、ミックスしたオケの音を流してくれます。聞こえにくいときは、クレームをつけて、音量を変えてもらいます。コンサートのときは、立つ位置で金管ばかり聞こえたり、弦ばかり聞こえたり、パーカッションの横になど立たされたら、ひどい目に合いますが、オペラはそういうことはありません。声に関しては、返りといって、我々は自分の声を、客席からはね帰る音で、自分の声をコントロールします。ですから、返りのない劇場は、とても歌いにくいのですが、バイロイトはその点完璧です。私はここ以上の歌いやすい劇場は知りません。ナポリのサン・カルロはすごく歌いやすいらしいのですが、あいにく舞台に立ったことがありませんので、何ともいえません。バイロイトは夢のように歌いやすい舞台です。あそこで歌いにくい人は、プロではいないんじゃないでしょうか。

片桐仁美さんを通してバイロイトのチケットをいただくことは可能ですか?
チケット入手で一番確実な方法を探しているからです
ほかにあったら教えてください (2006/01/05(木) 00:50)
□ あら、残念。出ていた頃は、ドミンゴが出ている舞台でも、一枚ずつ招待券もらえたのですけどね。歴代の歌手が何人いると思いますか?そんな歌手にいちいち券を優遇していたら、一般に出回る券が益々少なくなります。答えは残念ながら、不可能です。

1985年に行きました。どの曲で出演なさいましたか。
その時のその曲を聴こうと思って。 (2005/11/12(土) 20:19)
□ 当店HPの片桐仁美さんの経歴をご参照ください。

バイロイトに出演して意識の上での変化、オペラ上演に対する認識の変化はありましたか?
□ どちらかといえば、バイロイトに観客として行った時に、くちがアングリ開いたままでいるくらいにショックを受けました。バイロイトはウィーン音大の学生の頃に初めて仕事をもらった劇場なので(コーラスとしてですが)、比較対照するほどの経験がなかったので、出演して、というのは、あまり意識していませんね。ただ、同じオペラを色々なキャスト、スタッフで延々とやっている劇場というその執念というか、情念と、観客の知識の深さ、歌舞伎と通じるような通の存在など、やっぱりすごいなあ、という感じです。浅く広く、が普通の現在ですが、狭く深くも良いですよ。ただ、バイロイトも、過日の栄光は、このところやっぱり薄れているかしら。オペラを始めて振る指揮者のデビュー劇場ではないんですがね。

バイロイトのオケメンバーって休暇返上してやってると聞きましたが本当ですか?
連日長時間の上演。少々「好き」だという程度ではとても不可能な技だと思ったからです。 (2005/11/12(土) 20:18)
□ というよりも、皆さんどこかのオケに属しているので、夏休みや有給をとってバイロイトに来ます。それは、コーラスの中にもいます。オケやコーラスも、全部を同じメンバーでやっているわけではないので、暇なときは、皆でワイワイやっています。合唱はリングに入ると、遊びに行きますしね。イギリス人なんかは、よくウィーンやらプラハに行っていました。それに仲間で泳ぎに行ったり、パーティーしたり、気の合う仲間と、ワーキングホリディというかんじでしょうか?マイスタージンガーなんて、一幕の教会が終わると、まっすぐ泳ぎに行って、また終幕の前に帰ってきて、何食わぬ顔で舞台に立っていました。今でもバイロイトの合唱仲間の何人かは私の親友です。夏中バカやっている感じでしたね。

・出演者の間での人間関係(誰と誰は仲が良いが、誰と誰は仲が悪いなど)はありましたか?
□ 私の頃は皆仲が良かったですよ。楽屋でも裸の付き合いで、今でも仕事で会うと、盛り上がります。ワーグナー歌手なんてそんなにいないので、あちこちバイロイトの外でも会いますのでね。この間もナディーヌ・ゼクンデと新国立劇場で会ったら、すごく盛り上がりました。ソリスト同士は、本当のところはどうか知りませんが、私の知る限り、仲の悪そうなのはいませんでした。まあ皆プロですし、オペラというのは共同作業なので、和を乱したりはしません。仲間に入りたくない人は、カンティーネに来ませんし、バイロイトというのは、ひと夏を皆で快適に過ごす仕事場ですから。まあ時々勘違いしている若い馬鹿な女性歌手なんかが、パルシファルの花の乙女とか歌いに来ますが、そういう人は、誰も相手にしていませんでした。けっこう大きな役の歌手なんかでも、気さくに合唱やオケと一緒に騒いでいましたよ。